遺産整理業務で行うこと
1 遺産整理業務の概ねの流れ
遺産整理業務は、相続人に代わって、相続財産を調査し、一覧化した上で、名義変更や払戻、遺産の分配を行う業務になります。
概ねの流れは、以下のとおりとなります。
①相続人調査
②相続財産調査
③遺産目録の作成
④遺産分割協議書の作成
⑤名義変更、払戻
⑥遺産の分配
ここでは、それぞれについて、具体的にどのようなことを行うかについて、説明したいと思います。
2 相続人調査
まず、相続人が誰であるかについての調査を行います。
相続人が誰であるかは戸籍により証明することとなりますので、戸籍を収集し、整理する必要があることとなります。
このため、相続人調査では、被相続人や相続人の本籍地の役所等とやり取りを行い、戸籍の発行を申請することとなります。
通常、戸籍は、1人の人の一生で、複数作成されます。
結婚、転籍により、新たに戸籍が編制されることとなるからです。
このため、被相続人の戸籍1つを取っても、出生から死亡までの複数の戸籍を取得する必要があることとなります。
異なる役所で戸籍を取得しなければならないことも多く、時間をかけて、漏れなく、戸籍の収集を進めていくこととなります。
一通りの戸籍が揃ったら、これを整理し、相続関係説明図の形式にまとめます。
相続関係説明図は、相続に関係する人物の続柄、生年月日、死亡年月日等を家系図の形式でまとめたものとなります。
近年では、法務局に戸籍一式と相続関係説明図を提出し、法務局がその内容を確認し、公的な証明書(法定相続情報証明)を発行する制度が設けられています。
複数枚の戸籍ではなく、1枚の法定相続情報証明で相続関係を証明することができ、便利なこともあります。
このため、相続人調査の中で、法定相続情報証明の作成まで行ってしまうこともあります。
3 相続財産調査
次に、相続財産の調査を行います。
相続財産調査の段階では、役所や金融機関等に対し、戸籍を提出し、相続関係を証明した上でなければ、相続財産についての回答を得ることはできませんので、相続人調査が完了したあとに、相続財産調査を進めることとなります。
調査すべき事項は、財産の内容により様々です。
代表的な調査事項は、以下のとおりです。
⑴ 不動産
役所で名寄帳を取得します。
名寄帳は、ある人がそれぞれの市町村内に存在する所有不動産の一覧を記載した書類になります。
名寄帳には、固定資産税が非課税である不動産を含めて、それぞれの市町村内に存在する不動産が網羅的に記載されていますので、不動産調査では、基本的には、名寄帳を取得すべきでしょう。
名寄帳は、市町村ごとに別々に発行されますので、複数の市町村で不動産を所有している場合には、それぞれの市町村で名寄帳を発行してもらう必要があります。
⑵ 預貯金
預貯金については、各金融機関に問い合わせを行い、調査を行うこととなります。
通帳等により取引のあった金融機関、支店が特定できるときは、その金融機関の支店で調査を行うことがスムーズです。
一部の金融機関では、どの支店でも調査を受け付けている場合もありますので、このような場合は、最寄りの支店とやり取りを行うことにより、調査を進めることもできます。
取引のあった金融機関は特定できるものの、支店が特定できないときは、全店照会を行い、取引があった支店を教えてもらいます。
その上で、取引のあった支店について、調査を進めることとなります。
取引のあった金融機関も特定できないときは、被相続人の住所の近隣の金融機関を、総当たりで調査することもあります。
⑶ 有価証券
株式や投資信託、公社債について、調査を行います。
取引のあった証券会社、金融機関で調査を行うこととなります。
取引のあった証券会社や金融機関を特定できるときは、その証券会社や金融機関に問い合わせを行い、調査を進めることとなります。
取引のあった証券会社や金融機関を特定できないときは、証券保管振替機構に照会して、取引のあった証券会社や金融機関を教えてもらいます。
その上で、該当のあったそれぞれの証券会社や金融機関において、調査を進めることとなります。
株券の電子化前に購入した株式や、単元未満株式については、どの証券会社にも移管がなされていないことがあります。
このような場合には、証券会社への調査や証券保管振替機構への照会によっては、情報を得ることはできません。
このような株式については、配当金支払通知や金融機関への配当金の入金を確認し、各社の株式が存在を確認することとなります。
その上で、各社の株主名簿管理人を調査(ネットで検索可能)し、株主名簿管理人に問い合わせを行い、調査を進めることとなります。
4 遺産目録の作成
相続財産調査の結果を踏まえて、遺産目録を作成します。
遺産目録は、相続財産としてどのようなものが存在するかを、一覧表でまとめたものとなります。
完成した遺産目録を参照しながら、遺産分割協議を行ったり、遺産分割協議書を作成したりします。
5 遺産分割協議書の作成
相続全員で遺産分割の方法についての協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書は、誰がどの財産を引き継ぐかについて、相続人全員で合意した内容を、書面でまとめたものとなります。
完成した遺産分割協議書を用いて、その後の名義変更、払戻の手続きを進めることが多いです。
このため、遺産分割協議書では、不動産や有価証券、預貯金等の財産について、確実に手続きを進められるような記載になっている必要があります。
たとえば、一個一個の財産について、それぞれ誰が引き継ぐかを決めた場合、その一個一個の財産を特定できる程度の記載が必要になってきます。
土地については、所在、地番により正確に特定し、建物については、所在、家屋番号により正確に特定し、有価証券については、銘柄、株数(口数)、取扱証券会社で正確に特定し、預貯金については、銀行名、支店名、種類、口座番号で正確に特定する必要があります。
6 名義変更、払戻
作成した遺産分割協議書を利用する等して、名義変更、払戻の手続きを進めます。
名義変更、払戻の手続きについては、それぞれの財産で、別々にルールがありますので、これらのルールに従って、手続きを進める必要があります。
7 遺産の分配
遺産分割協議書で定めた内容等に従って、遺産を引き継ぐこととなった相続人に対し、財産を分配します。
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